フランスの社会党の重鎮政治家で、第五共和制下で最も重要なコアビタシオン(与野党共存)の時代に首相を務めたリヨネル・ジョスパン氏が88歳で死去したと、家族が月曜日(現地時間)に発表した。
ジョスパン氏の死去は、フランス社会党と欧州左派にとって一つの時代の終焉を告げるものだ。1997年から2002年にかけて首相を務めた同氏は、ジャック・シラク大統領(中道右派)とのコアビタシオン体制の下で統治を行った。コアビタシオンとは、フランス独特の政治体制で、大統領と首相が異なる党派に属する状態を指す。
元首相は、フランス社会に今なお影響を与える数々の画期的な社会改革を実施した中心人物であった。同氏の政権は、失業率削減を目指して労働時間の再分配を図る「35時間労働制」を導入した。この政策は労働組合からは称賛された一方で、フランスの競争力を損なうとの批判を受け、企業経営者から反発を招いた。
同様に重要だったのが、同性カップル向けのシビル・ユニオン(PACS)を導入し、フランスにおけるLGBTQ+の権利向上に貢献したことだ。当時画期的だったこの法案は、2013年の同性婚合法化への道を開くこととなった。
ジョスパン氏は「多元左派」を提唱し、進歩的な諸勢力を共通の旗の下に結集させつつ、それぞれのアイデンティティや優先事項を尊重する政治哲学を掲げた。このアプローチにより、同氏は伝統的な社会主義者だけでなく、緑の党、共産主義者、その他の左派政党を含む連合を形成することができた。
フランスメディアは、ジョスパン氏のコアビタシオン体制下での首相としての役割と、「多元左派」の政治哲学の体現者としての功績に焦点を当てている。
国際英語メディアは、ジョスパン氏の進歩的な社会改革、特に35時間労働制と同性カップル向けPACSに注目し、社会主義改革者としての側面を強調している。
欧州の視点では、ジョスパン氏の政権在任期間の時系列と2002年の極右候補との選挙敗北を重視し、そのキャリアを欧州政治の発展における文脈で捉えている。